住宅の屋根材について

住宅

住宅の屋根

屋根材は雨や風、紫外線などから建物を守る役割を担っています。
しかし、屋根材は外部環境に対応するため丈夫なつくりではありますが、
経年劣化によって塗装などのメンテナンスや葺き替えが必要になります。
しかし、屋根材は日頃、目視しにくいため、気づいたときには
劣化が進んでいるといったケースも少なくありません。
そこで、これからマイホームの新築やリフォームを検討して
いる方に向けて、知っておきたい基礎知識として、
屋根材の種類を紹介していきます。

主な屋根材の種類

住宅に使われる主な屋根材の価格帯や耐用年数、メンテナンスの
違いをまとめ、特徴やメリット、デメリットなどについてみていきます。

〇瓦(粘土瓦)
・価格帯:8,000円~12,000円/平米(材料費・施工費)
・耐用年数:50年~100年程度
・メンテナンス:不要(棟の部分の補修が必要となる場合あり)
粘土を使った焼き物の瓦は古くから日本で使われている
屋根材で、粘土瓦とも呼ばれ、釉薬によって表面がツルツル
しているのが特徴です。
粘土瓦には日本瓦以外にも、スパニッシュ瓦など洋風デザイン
の瓦もあります。

瓦は耐久性や耐火性、断熱性、遮音性に優れていることがメリット。
耐久性の面では、50年~100年程度もつといわれています。
ただし、瓦のメンテナンスは不要ですが、経年劣化などにより、
棟の部分の下地の漆喰が崩れてしまった場合には補修が必要です。
また、瓦が破損した場合には1枚単位で交換できます。

断熱性の面では、瓦は外部の熱を伝えにくい性質があり、
下地材との間に空気層ができることからも、夏は屋根裏に
熱がこもりにくいため涼しく、冬は暖かいことも特徴です。

一方で、瓦は重いため、耐震性の面では不利なことが
デメリットとして挙げられます。
ただし、最近では従来の瓦を軽量した軽量瓦も市販されています。
また、瓦は暴風雨で飛びやすいことも難点でしたが、最近は
施工方法が改善され、2022年1月からはすべての瓦を釘やネジで
緊結することが義務付けられています。

↑瓦の屋根イメージ

〇セメント瓦
・価格帯:6,000円~8,000円/ 平米(材料費・施工費)
・耐用年数:30年~40年程度
・メンテナンス:約15年ごとを目安に塗装が必要
(棟の部分の補修が必要となる場合あり)

セメント瓦はセメントと砂を原料として作られた瓦です。
粘土瓦とセメント瓦は形状からは見分けがつきくいですが、
セメント瓦は表面が塗装されていてザラザラしているのが特徴です。
ただし、セメント瓦は1970年代~1980年代に普及しましたが、
現在ではあまり使われていません。

セメント瓦は粘土瓦よりも価格が安いことがメリット。
セメント瓦も耐火性や断熱性、遮音性が高いといった特徴があり、
破損した際などは1枚単位で交換することができます。

一方でセメント瓦も重く耐震性の面では不利で、おおむね
15 年ごとに塗装などのメンテナンスが必要なこともデメリットです。
表面の塗膜が劣化すると、防水性が低下するほか、割れやすく
なることもあり、コケやカビなどが生えやすいことも難点です。

また、セメント瓦も2022年1月からすべての瓦を緊結することが
義務付けられています。
セメント瓦も経年劣化によって、棟の部分の漆喰の補修が必要と
なることがあるのは同様です。

〇スレート(コロニアル・カラーベスト)
・価格帯:4,500円~8,000円/平米(材料費・施工費)
・耐用年数:15年~25年
・メンテナンス:約10年ごとを目安に塗装が必要

スレートには粘板岩を薄い板状に加工した天然スレートと、
セメントに繊維質の素材を混ぜて作られた薄い板状の
化粧スレートがあります。
コロニアルやカラーベストといった商品名で呼ばれ、
現在、日本で広く普及しているのは化粧スレートの方です。
ここでは化粧スレートについて取り上げていきます。

スレートは軽量のため耐震性の面で有利で、施工性が
よいうえに、比較的安価といったメリットがあり、
普及している理由でもあります。
また、カラーバリエーションが豊富で、平板や波板といった
形状があり、幅広いデザインの住宅に対応できます。

ただし、スレートは紫外線の影響などによる経年劣化により、
色褪せやチョーキング現象などが起こります。
表面がザラザラしているため水が溜まりやすいことからも、
コケやカビが生えやすいこともデメリットです。
そのため、10年程度の周期で塗装が必要になります。

かつては、スレートには健康被害を起こす可能性がある
アスベストが使用されていましたが、現在は使われていません。

↑コロニアル屋根イメージ

〇アスファルトシングル
・価格帯:6,000円~8,000円/平米(材料費・施工費)
・耐用年数:20年~30年
・メンテナンス:約10年ごとを目安に塗装が必要

アスファルトシングルはガラス繊維の基材にアスファルトを
浸透させて、表面に彩色した砂粒を吹き付けた屋根材です。
アスファルトシングルは日本ではあまり使われていませんが、
アメリカやカナダでは広く普及しています。

ちなみにアスファルトルーフィングは似たような名前のため、
混同されることがありますが、屋根に使われる防水材です。

アスファルトシングルは耐久性や耐水性、防音性に
優れていることがメリットです。
はさみやカッターで切ることができるなど施工性がよく、
柔らかいことから複雑な形状の屋根にも対応できます。

一方でアスファルトシングルは輸入品が中心で、施工を
行える業者が少ないことがデメリットとして挙げられます。
また、アスファルトシングルも表面がザラザラしているため、
経年劣化により、コケやカビが生えやすいことも難点。
10年程度の周期で塗装が必要になります。

〇ガルバリウム鋼板
・価格帯:6,000円~9,000円/平米(材料費・施工費)
・耐用年数:15年~30年
・メンテナンス:約15~20年で目安に塗装が必要

ガルバリウム鋼板は金属鋼板をアルミニウムと亜鉛、
シリコンでめっきした素材です。
アルミニウムは耐食性や耐熱性、熱反射性に優れた素材であり、
亜鉛には犠牲防食機能があることから、かつて屋根材として
広く使われていたトタンよりも耐久性に優れているのが特徴です。

また、ガルバリウム鋼板は軽量なため、耐震性の面でも有利。
加工性がよく、カラーバリエーションが豊富でモダンな
デザインの住宅に合うことからも、広く使われるようになりました。

ただし、衝撃に弱く、金属のため塩害のある地域では耐用年数が
短くなることもデメリットです。
10年~15年程度で塗装が必要になります。
また、断熱性が低いため対策が必要ですが、費用がかかります。

↑ガルバリウム鋼板の屋根イメージ

屋根材を選ぶポイント

ここまで屋根材を紹介してきましたが、どのような基準で
マイホームなどの屋根材をえらんだらよいのでしょうか。
屋根材は3つのポイントを軸に検討すると、
自分に合ったものを選びやすくなります。

・価格
できるだけ費用を抑えたい場合には、スレートや
ガルバリウム鋼板が向いています。
ただし、長く住む家であれば、初期費用が高くてもメンテナンス
費用を踏まえると、大差がないこともあります。

・デザイン
屋根材は住宅の外観を大きく左右する要素の一つです。
たとえば、伝統的には日本家屋には瓦が合いますし、
ガルバリウム鋼板はスタイリッシュな印象を与えます。
また、屋根材は外壁材との相性も踏まえて検討しましょう。

・耐用年数やメンテナンス性
耐用年数やメンテナンスサイクルは、今後、長く住む
家の場合には重視するべきポイントです。
一方、将来的に住み替えや建て替え、リフォームを検討
している場合には、耐用年数はさほど重視するべき点ではないといえます。

おわりに

マイホームの新築やリフォームで屋根材を選ぶ際には、
デザインやカラーも大切ですが、種類ごとの特徴などを
理解しておくことが大切です。
また、初期費用だけではなく、メンテナンスにかかるコストも
踏まえて検討しましょう。

建築家との家づくりでは、多様な屋根材から好みのデザインや
予算などを踏まえて、提案を行っています。

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