介護とバリアフリー住宅①

介護とバリアフリー住宅 住宅

父親、介護が必要に・・・

建築の設計をするにあたり、バリアフリーという
言葉は会話の中で良く出るキーワードではありますが
今回、このブログを書くきっかけというのは
自分の父親が介護が必要な状態になってしまい
年明け早々に、実家の住まいがある最寄りの
包括支援センターに相談して、
介護認定の申請を行うことになりました・・・。

介護認定の申請へ

介護認定申請には、まず地域で担当をしている
包括支援センターに連絡をすると、ソーシャルワーカーの方が
自宅に訪問して、色々な相談に乗ってくれます。

父親の場合は、早々に介護ベッドと浴室のシャワーチェアを
段取りして頂きました。
ソーシャルワーカーの方が早々に市役所に
介護認定申請を行って頂き後日、
市の調査員の方が訪問して父親の状態確認や
家族へのヒアリングをする訪問調査を行いました。

介護判定には、主治医の意見書も必要で
訪問調査と意見書によって一次判定が出るとの事です。
その後、その一次判定を基に
市の有識者による介護認定審査会を経て
要介護度(又は要支援)が決定する流れとなり
概ね、申請から決定まで1~1.5カ月程度と言われています。

さて、父親の場合ですが、
主治医の意見書をお願いするにあたり
外来予約をした途端に、本人の体の具合が悪くなり、
2週間弱の緊急入院となってしまい、
主治医の意見書がストップして
正直、なかなか思うように進まない事が大変でしたが
あと、数日もすれば介護認定が決まると思います。

介護の住まい、バリアフリー住宅

さて、前置きが随分と長くなってしまったのですが
自分の父親の事もあり、改めて介護の住まいや
バリアフリー住宅について色々と考える時間が増えたので、
今回のブログにてまとめてみようと思った次第です。

バリアフリー住宅とは、一般的に赤ちゃんから高齢者まで
世代を問わず、誰でも快適に安心で
安全な生活を送れる住まいをいいます。
「バリアフリー」の「バリア」とは障壁のことです。

バリアフリー住宅では、
生活の支障となりやすい床の段差などをなくし、
手すりなど動作を補助するための設備が設けられています。
たとえば、床の段差がなければ、高齢者に限らず、
歩き始めの小さな子どもや妊娠中の人、ケガをした人、
障害者にとっても、暮らしやすい住まいになります。

各所における仕様のポイント

バリアフリー住宅の仕様は、
住む人の年齢や身体の状態によって異なる部分もあります。
バリアフリー住宅にするための
一般的なポイントを場所ごとにまとめました。

介護とバリアフリー:浴室

浴室は滑りやすく、転倒しやすい場所であり、
浴槽をまたぐときにもバランスを崩しやすいです。
そこで、床材には滑りにくくクッション性のある素材を使用します。

また、出入り口の段差をなくして、
浴槽はまたぎやすいように高さ40cm以下に
するのが推奨されています。

手すりは、浴槽周辺と出入り口付近、
シャワーの周辺などに設置します。
浴槽周辺の手すりは、
浴槽をまたぐときの動作が人によって異なるため、
使う人に合わせて設置することが大切です。

出入り口付近の手すりは浴室への出入りの際の転倒防止、
シャワー周辺の手すりは浴室用の椅子への立ち座りの動作を
補助するためのものです。

↑シャワーフック兼用手摺と低めの浴槽

それから、洗面脱衣室や浴室の温度が低いと、
急激な温度変化によって血圧が急激に変動する
ヒートショックによって、特に高齢者は
心筋梗塞や脳梗塞を発症する恐れがあります。
洗面脱衣室や浴室に暖房設備を設置するといった
事が出来れば更に良いと思います。

介護とバリアフリー:トイレ

トイレは寝室の近くに配置しておくと、
加齢によって足腰が弱まって移動するのが
大変な状態になっても、夜中に行きやすくなります。
便器は立ち座りがしやすいように、洋式トイレを設置します。
尤も、最近は洋式トイレが主流なのですが。

トイレ用の手すりには、立ち座りのための縦型の手すりや
水平移動のための横型の手すりもありますが、
L字型手すりを設置すると両方を兼ねられます。

また、車椅子が必要な場合には目安として、
自力走行できるケースで165cm×125cm(約0.75坪)以上、
介助が必要なケースでは165cm×165cm(約1坪)以上の
広めのスペースが必要ですが、なかなか一般の住宅においては
車椅子対応にするスペースが確保しにくのが現状です。

介護とバリアフリー:玄関

玄関は上がり框の段差を低くするか、あるいはなくすと、
スムーズに出入りがしやすくなります。
玄関ドアは幅90cm以上のものにすると、車椅子でも通れます。

また、外玄関には段差があることが多いですが、
スロープを設置すると、高齢者のほか、妊娠中の人や
小さな子どもの出入りにも安心です。
ただし、スロープの設置には広いスペースを必要とします。

介護とバリアフリー:部屋のドア

ドアは開閉の際に、身体を前後に移動する必要があります。
一方、引き戸は開閉時の身体の移動が少なく、
弱い力でも開けることができるため、
車椅子の使用時にも向いています。

ただし、一般的な引き戸は
ドアレールにつまずく可能性もあるため、
床にレールのない上吊り戸がおすすめです。

引き戸を設置するのが難しい場合には、
ドアノブをレバーハンドルにすると
開閉の負担を軽減できます。

また、扉の幅はトイレは60cm程度、
居室は75cm程度が一般的ですが、
90cm以上あると車椅子で出入りできます。

介護とバリアフリー:照明

高齢者や小さな子どもは、握力が弱いと
小さな照明スイッチは押しにくいことがあります。
そのため、ワイドスイッチを選択すると、
照明の点灯や消灯がしやすいです。

車椅子を使用する場合には低めの位置にスイッチを設置します。
また、安全のため、階段には足元灯を設置しておくと
夜間はとても便利です。

今回はこの辺で終わります。
後編では、バリアフリー住宅のメリットやデメリット、
バリアフリー住宅への改修のポイントや
注意点について取り上げてみようと思います。

↓介護とバリアフリー住宅[後編]
https://t2-archi.com/blog/nursing-and-barrier-free-housing-2/

コメント

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