京都へ②(京都迎賓館へ)

建築見学

弧篷庵からの

午前中は大徳寺塔頭の「弧篷庵」を堪能して
せっかく京都まで行くのだからもう1つぐらいは
建築を見て帰ろうと事前に京都迎賓館の見学を申し込んでおきました。


京都迎賓館

京都迎賓館は、平安建都千二百年記念事業として京都府及び市、
経済界一体となり誘致要望活動が行われ、京都御所の東隣の場所に
国において2007年に建設されました。

海外からの賓客お迎えし、日本への理解と友好を深めていただく
施設として、内閣府において運用されていますが、2016年から、
外国からの賓客の接遇に支障のない範囲で一般公開されています。

設計は日建設計、施工は大林組・竹中工務店・鹿島建設JVです。

今回、申し込んだのは時間指定のガイドツアー参観です。
ツアーの所要時間は大よそ90分、ちなみに参観料は大人2000円でした。

清和院休憩所

今年の3月に竣工したばかりの新築です。
設計は香山建築研究所との事。

ここは、京都御苑の清和院休憩所が集合場所となっており、
集合時刻(今回は14時)がガイドツアー開始時刻となります。

受付をして、見学料を支払い荷物はロッカーに預けます。
見学前の注意事項や案内のDVDを観て2班に分かれての移動
見学となりました。今回自分の班は6名と少人数で回れました。

↑清和院休憩所
清和院休憩所から移動して、正面玄関を通り過ぎて迎賓館地下に
そこでセキュリティチェックを行ったうえで、再度正面玄関に戻り
そこで館内用のスリッパに履き替えて、いよいよ迎賓館内部へ

夕映の間

夕映の間は晩餐会などの待合室であり、京都盆地を囲む
比叡山と愛宕山をデザインした織物壁面に挟まれています。
織物は双方ともに日本画家の箱崎睦昌(はこざきむつまさ)の作。

大臣会合などの会議や立礼式茶会のおもてなし、晩餐会の
待合として使用をされる場所となっております。

回廊から庭園も見え、昔からの日本の住まい作り
「庭屋一如(ていおくいちにょ)」の心で、建物と調和した
居心地の良い空間となっていました。

藤の間

藤の間は晩餐会や式典が催される迎賓館で最も広い部屋であり、
日本画家 鹿見喜陌(しかみきよみち、故人)による横16mもの
織物が飾られています。
本美濃紙と京指物の伝統的技能が使われた格子光天井。

天井には和凧が3段ずつ連なる笠の形状をデザインされており
3段の笠は、高さの調節が可能とのことです。

その組み合わせパターンは15種類にも及び、
日本の伝統技能の豪華さが結集されています。

桐の間

桐の間は、主に京料理などの和食で要人を持て成す為の部屋との事です。
縁側からは美しい中庭が一望出来るようになっており、
まさに完璧な構図の和室となっておりました。

この部屋の畳は“中継ぎ表”と言って、井草の良い部分
だけを使った伝統技法で作られているとの事。

また、部屋の中央には貴重な一枚板から造られた巨大な
漆塗りのテーブルが設置されています。

庭園

建物をつなぐ橋の上からは、北側の ”日本の海” が表現
された池と、南側の ”田園風景” が表現されたネビキ草の
植えられた池を楽しむことができます。

廊橋の天井は、船底を逆さにしたような形で、中央部が高く、
両端が低くなった「船底天井」で、吉野杉を使用しています。

四隅には、昆虫の透かし彫りが施されています。

北側の池には様々な色をした錦鯉が放たれています。
海外の賓客に、餌やりを楽しんでもらえる場所となっています。

この鯉は中越地震の際、被災した新潟の鯉を買い取ったらしく
庭園の池を楽しむために、舟までも用意されています。

こちらの舟は実際に乗って池を回遊することが可能です。
過去にブータン国王と王妃が来日した際に、実際に舟に乗って
庭園を楽しまれましたとの事です。

↑船底天井の廊橋

↑田園風景をイメージされた池

おわりに

見学時間は約90分でした。
今回は、時間指定のガイドツアー方式でしたが、
自由参観が出来る日もあるみたいです。

京都迎賓館が建つ京都御苑の敷地には、江戸時代に複数の
公家の家があったそうです。広大な広さで、一つ一つの部屋
「間」も、大宴会場のような広さです。

各間には、錦絵や蒔絵などの大きな名作が壁一面に描かれていて
見どころになっており、おすすめです。
建築もさることながら、工芸品も多々配置されておりますので
見どころは沢山ありました。

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