金沢で建築を観る②

建築見学

金沢は図書館が多い

金沢には図書館が多く点在していると思われる。
そして、その図書館はどれも名建築。
金沢2日目は図書館を見に行くこととしているが
時間の都合もあり全てを観れるわけではないので
一番新しい石川県立図書館を訪れる事にしました。

石川県立図書館に行く

金沢駅から車で15分程度のところにある旧金沢大学工学部跡地に
2022年7月に開館しました。
この県立図書館は円形劇場を模した内観や図書の配置方法が
特徴的で、図書館としては珍しい交流エリアやキッズスペースを備えています。
SNSなどでは写真映えするスポットとしても人気で、
建物撮影を目当てに訪れる人も多い。

本来、図書館は地域の人々に向けた施設だと思われるが
この図書館は観光ガイドブックにも掲載されるほどで観光スポットとしても
訪れる人がいるのが特徴ともいえると思います。

この図書館を設計したのは、仙田満+環境デザイン研究所。
新図書館のプロポーザルコンペは2017年に行われ、
応募24チームの中から最優秀者として仙田満氏が選ばれています。

この図書館の特徴とは

石川県立図書館の外観は、大型のパネルとガラスを重ねて
「本のページ」を表現しているとのこと。
内部はまるで円形劇場のような大空間で、おしゃれなデザインです。

また、この図書館の最大の特徴は、1階から4階までを貫く、
劇場のようなすり鉢状の大円形閲覧空間「グレートホール」。

フロアが各階で分かれているのではなく、スロープや階段で
つながる連続した吹き抜け空間です。

1階から見上げると、段状の書架に収まる多くの本が目に飛び込みます。
利用者はそれらの書架をつなぐ円形のスロープで3階まで回遊して、
本を探しながら散策をすることができます。

館内には約500もの閲覧席が設置されていて、図書館を
利用するスタイルや好み、その日の気分に合わせて使い分けられます。

勉強や調べ物にピッタリなデスクや、窓の外を眺めつつ本を
読める窓辺の半個室の席、リラックスできるソファ、
歩き疲れた時に腰をかけるスツールなど、100種類以上の
閲覧席があります。

館内には世界で長く愛されている椅子や、加賀五彩を使った
特別仕様の椅子もあります。
また、色分けされたブロックごとに、椅子やソファの色が
調和されているなど、家具も図書館の見どころの1つとなっています。

仕事や勉強に集中したい、静かな空間で本が読みたいと
いう人には「サイレントルーム」という座席もありました。

ソフトな面でも斬新さが

図書館といえば、静かにしないといけない空間という認識が
一般的ですが、この図書館では館内でのおしゃべりがOKとのこと。
そして、携帯電話での会話も良いらしいです。

また、本が汚れるからという理由で、大抵の図書館では飲食は
禁止しているところが多いですが、
石川県立図書館では、飲食がOKみたいです。

尤も、食べ物に関してはスペースが限定されますが、
ドリンクに関しては、多くのスペースでフタのついた
飲み物を持ち込むことが可能となっています。

↑館内中央のブリッジを見る

金沢駅近郊の名建築である公立図書館

金沢駅を中心として半径5キロの範囲に公立図書館が3件。
その3件とも名建築で、今回は時間の都合で石川県立図書館しか
行けませんでしたが、機会があれば是非とも他の図書館にも
訪れてみたいものです。

石川県立図書館

2022年竣工
設計:仙田満+環境デザイン研究所
石川県金沢市小立野2-43-1
北陸鉄道バス「石川県立図書館」バス停から徒歩すぐ

金沢海みらい図書館
2011年竣工
設計:シーラカンスK&H
石川県金沢市寺中町イ1-1
北陸鉄道バス「金沢海みらい図書館前」バス停から徒歩すぐ

玉川図書館
1978年竣工
設計:谷口吉郎・吉生
金沢市玉川町2番20号
北陸鉄道バス武蔵ヶ辻・近江町市場」から徒歩5分

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