建替えとリフォーム、どちらが良いか②

建て替えリフォーム 住宅

前回より続き

戸建て住宅の老朽化が気になる場合、
主に建て替えとリフォームという選択肢があります。
前回は建て替えとリフォームについて、それぞれの
定義や工事費用、メリット、デメリットなどについて、
取り上げました。
今回は、実際に何を基準に建て替えとリフォームの
どちらを選択したらよいのか考えていきます。

↓建替えとリフォーム、どちらが良いか①
https://t2-archi.com/blog/rebuilding-or-remodeling1/

建替えとリフォームの判断基準は?

建て替えとリフォームの判断基準になるのは、
主に築年数、耐震性、地盤、費用・予算、施主の年齢や家族構成です。

築年数が古い住宅は躯体の補修工事や断熱工事、耐震工事が
必要になることが多く、リフォームでも工事費用が高くなりやすいです。

耐震性の面では、1981年の建築基準法の改正によって
耐震基準が大きく変わっていることから、それ以前に
確認申請が出された住宅は現行の耐震基準を満たしていない
可能性が高くあります。

耐震診断を受けるか、あるいは建築士に相談すると、
耐震工事によってどの程度、耐震性を向上できるか把握できます。

また、地盤が弱い場合にはリフォームでは対応できず、
建て替えの際であれば地盤改良を行うことが可能です。

↑地盤改良が完了した現場(丸いものが改良体)

予算によっては、現実的に建て替えは難しく、
リフォームの方が費用を抑えられます。
ただし、老朽化などによってリフォームでも
建替えと同じ程度の工事費用がかかるのであれば、
建替えの方が向いています。

また、施主の年齢や家族構成などから、間取りの大幅な
変更が必要か、今後、何年住むのかという点も判断基準
としましょう。

建替えが向いているケース

建て替えが向いているのは主に次に挙げるケースです。
築30年以上経っている
耐震性が低い軟弱地盤に建っている
子供が受け継いで住むなど長い期間居住する予定がある
間取りを大きく変えたい

築年数が経過して老朽化が進んでいると、リフォームでも
建て替えと同程度の費用がかかることがあります。

維持管理状況などによって建物の状態は変わるため、
一概には言えませんが、木造住宅では築30年以上を
経過していると、建て替えの方が向いていると判断する
目安になります。

耐震性アップや軟弱地盤は建替え向き

耐震性が低く、耐震工事を行っても耐震性を大幅に
向上させるのが難しい場合にも、建て替えが向いています。

軟弱地盤で家が傾いているといったケースでは、根本的に解決
するためには地盤改良が必要なため、建て替えが望ましいです。

また、親が住んでいた家を子供が受け継いで暮らすケースなど、
今後長く暮らすのであれば、家の寿命を踏まえて考えると、
費用をかけて建て替えをする方が向いています。

間取りを大きく変えたい場合にも、建て替えの方がイチから
設計プランを考えられるため、理想の住まいを実現できます。

↑新築したリビング

リフォームが向いているケース

リフォームが向いているのは主に次に挙げるケースになります。

築年数が浅い
耐震性に問題がない、または耐震工事によって
耐震性を大幅に向上できる
なるべく費用を抑えたい
リフォーム費用が2000万円以内で収まる
再建築不可物件で建て替えができない

築年数が浅く、構造上の問題がない場合には、
リフォームの方が向いています。
また、耐震性に問題がないか、あるいは耐震診断によって
耐震工事で耐震性が大幅に向上できると判断された
ケースも、リフォームで対応できます。

コスト面での注意点

費用面では、老朽化などによってリフォーム費用が
2000万円以上かかる場合は、建て替えとさほど費用が
変わらない可能性が出てきます。

リフォーム費用が2000万円以内のケースが、費用面から
リフォームを選択する目安です。
また、なるべく費用を抑えたい場合も、リフォームで
工事個所を限定していく方法が向いています。

再建築不可物件はリフォーム対応

リフォームしか選択できないケースもあり、
再建築不可物件に該当するケースが挙げられます。

再建築不可物件は主に、都市計画区域や準都市計画の
区域内で、建物の建つ敷地が幅4m以上の道路に2m以上
接していることが義務付けられた接道要件を満たしていない
物件が該当します。

再建築不可物件は住宅を建てた後に、建築基準法や
都市計画法による規制ができたことが要因であり、
現状では違法ではないものの、建替えをすることができません。
再建築不可物件の場合は建て替えと同程度の費用がかかる
場合でも、リフォームを選択することになります。

↓木造住宅のスケルトン改修って
https://t2-archi.com/blog/residential-skeleton-remodeling/


↑再建築不可物件、スケルトン改修工事中

まずは専門家に相談

建て替えとリフォームの判断基準基準をお伝えしましたが、
実際にはどちらが向いているのか、専門的な知識がないと
判断が難しいケースが少なくありません。

実際には築20年でも老朽化が進んでいる家もあれば、
築30年を過ぎても構造上大きな問題がない家もあります。

そこで、建て替えかリフォームのどちらにするか迷う
場合には、建築家などの専門家に相談するのがおすすめです。

家の傷み具合からどちらが向いているのか、どのような工事で
耐震性を向上させることができるのか、あるいはリフォームで
希望するような間取り変更ができるのかといった点を相談を
することができます。

プロに相談しながら費用対効果も踏まえたうえで、
建替えとリフォームのどちらを選択するか考えてみては
いかがでしょうか。

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