釧路市出身の建築家「毛綱毅曠」
1941年に釧路にて誕生し数々の建築を造り
2001年に僅か59歳という若さでこの世を去った毛綱氏。
初期のころは毛綱モン太と名乗っていたが
1978年ころに毛綱毅曠と戸籍名を変更し、事務所を設立されたという。
風水思想を取り入れた独特な作風の建築で知られ、
地元釧路市を中心として、釧路市博物館・釧路市湿原展望資料館や
石川県能登島ガラス美術館やくびき駅といった
全国各地に毛綱氏の設計した建築は多数あります。
初期作品「反住器」を見る
1972年、毛綱氏が31歳の時の処女作で、
自身の母親の為に作った家でもあります。
現在は毛綱毅曠建築事務所釧路出張所にもなっています。
外観のみの見学となりますが、建物の構成として
一辺8m、4m、1.5mの3つのキューブが重なった
入れ子構造が特徴となっています。
三角のガラス面が正面、側面、そして屋根に設けられているため、
内部は非常に明るく、通路はサンルーム的な役割を果たしているそうです。
↑反住器の外観
釧路市湿原展望台
釧路湿原は、釧路平野に位置する日本最大の湿原ですが、
特別天然記念物タンチョウをはじめとした水鳥の休息の地と
なっているなど、大変希少な動植物が生息していることでも有名です。
この釧路湿原を一望できるのが、1984年に竣工しました。
釧路市中央部から車で30分強走った釧路湿原の西端に位置しています。
釧路市湿原展望台の建物のイメージは湿原に群生する
「やちぼうず」(谷内坊主)がモチーフとなっているそうです。
展望台は、湿原地に浮かぶ船のように見えるよう意図されています。
エレガントな曲線を描いた、洞窟のような建物の内装は、
同湿原地の中心的要素を象徴するものです。
館内では1階は入場無料で、ショップやレストラン
2階では、湿原の植生などを解説する資料展示室があり、
「水の大地」釧路湿原を再現したジオラマは圧巻です。
3階には、湿原を360度見渡せる展望ブースが設けられ、
さらに屋上は展望バルコニーになっています。
↑釧路市湿原展望台
その他建築など
1985年に日本建築学会賞を受賞した「釧路市立博物館」や
「釧路フィッシャーマンズワーフ」を始め、釧路市内には
およそ10件程の毛綱氏が手掛けた建築が点在しています。
また、その殆どが市内中心部に集中しており、建築から建築まで
徒歩圏内となっており見学するにはとても回りやすいと思います。
↑釧路センチュリーキャッスルホテル
↑釧路フィッシャーマンズワーフ