京都・大阪で、「原広司」の建築に触れる

建築見学

前回のブログにて京都の西本願寺にに行った際
せっかく関西まで来たのだから、久々に梅田スカイビルに
行きたくなりました。
これは、今年の春先に東京にある「国立近現代建築資料館」にて
「原広司 建築に何が可能か-有孔体と浮遊の思想の55年-」に
訪れた際に、京都駅や梅田の模型や図面・氏のスケッチを見て
どこかのタイミングで行こうかなと思っており、今回それが実行
された運びとなりました。

京都駅へ

今から30年ほど前に今の京都駅が誕生した。
京都駅は1994年の平安建都1200年を記念して、JR西日本と
京都市が計画した、設計コンペで安藤忠雄氏や故・黒川紀章氏といった
国内外7名の参加者の中から選出されたのが建築家・原広司の案でした。

京都駅ビルは、高さ120mまで建設可能な条件に対して京都の
景観を保護するために高さが60mに抑えられ、
その分東西に470mといった長大なもので、それを3分割し、
ホテル、駅、デパート、大階段と配置しています。

その近未来的デザインと巨大な規模に賛否両論を巻き起こしながら
開業した京都駅ビルですが、今となっては京都の顔となりつつある
と京都の部外者である筆者はそう思います。
京都駅前にある、シンボル的存在の京都タワーも1964年当時に
批判の嵐だったと聞きます。

それが、今となっては新幹線の車窓から見えるタワーは
京都に着いたんだなと思うようになり、観光客は京都タワーを
バックに記念撮影をしているのをよく見かけます。
それと同じく京都駅も今となっては京都のシンボル的な
存在になっているかと思われます。

京都駅中央コンコースは、4000枚のガラスを使用した
正面と大屋根で覆う広々とした吹き抜けになっています。
ガラスのファサードには京都の町並みや京都タワーが
写りこむようになっています。

大階段へ

駅の中には壮大な大階段があります。
この大階段は171段、高低差は35m、全長は70mある
巨大な階段ですが、その場所は、入口から中央コンコースに入り、
西側(右手)にエスカレータがあります。
エスカレーターで4階まで登ると、大階段にたどり着きます。

伊勢丹側の大階段は、4階から11階までの高さがある階段であり、
色々なコンサートや、イベント会場としても利用されています。
また、非常時の避難経路となることも想定されているそうです。


↑大階段

空中経路へ

大階段の上にブリッジがあり、これはいったい何と思うのですが
これは誰でも入場可能な空中経路が通っています。
伊勢丹の10階のレストランフロアの端っこに入り口があり
なかなか一般のお客はあまり行きつかない場所となって場所で
必然的に人の少ない穴場エリアとなっている感じがしました。

通ってみると、通路自体も美しいですが、途中には2カ所の
展望スペースがあり、正面の京都タワーを始め東山から
嵐山へと京都を囲む山々を気持ちよく見渡すことができる空間となっています。

↑空中経路の様子

大阪・梅田スカイビルへ

前述の京都駅とほぼ同時期に出来たのが梅田スカイビルです。
今回久々に訪れました。
大阪駅を降り立つと遠くの方にスカイビルが見え
地上40階・地下2階、高さ約173メートルの超高層ビルである。
その独特の形状から大阪のランドマークとなっています。

タワーイースト(東棟)、タワーウエスト(西棟)の2棟で
構成され、その頂部を連結するように円形の空中庭園展望台を
設置した構造が特徴である。

これにより地震、風、振動への耐性が強化されている。
この空中庭園は地上で組み立ててからワイヤーロープで
つり上げる「リフトアップ工法」で施工されています。
また、イースト・ウエスト両棟を行き来するため22階には
連絡通路が設けられている。

展望台へ

ビルの3階にある展望台エントランスから
シースルーエレベーターで35階まで一気に上がり
そこからはシースルーエスカレーターで4層分の39階まで上がります。
超高層ビルの展望台としては珍しく屋上に設置され、
360度の視界と全天を風を感じながら眺められる展望台は
充分な観光スポットだと思います。


↑展望台と空中エスカレーター

↑屋上展望台の様子


↑低層部分は当時の原広司氏のディテールが満載です。

おわりに

今回訪れた建物は共に築30年近く経っていますが
全く衰えることなく、来る人が記念撮影をしたりして
その場所のランドマーク的存在となっていると思いました。
京都駅については、色々な仕掛けというか迷路っぽさもあり
単なる駅ビルではない面白さがあるかと思います。

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