高知・横浜・東京で、「内藤廣」の建築に触れる

建築見学

最近は聞かれなくなりましたが、好きな建築家は誰?となると
「安藤忠雄」と「内藤廣」ですね。と答えている。
以前のブログにおいても、安藤忠雄氏の講演や建築見学を触れていましたが
今回、短期間にて内藤廣氏の建築を見たり聞いたりする機会がありました。

オンライン講演会
オンラインでの講演会 先日、建築雑誌を読んでいたら2/3に講演会が開催されるとの事で ※実際にはオンライン講演会ですが。 早々に視聴登録の申し込みをしておりました。 そして本日18時より、東西アス協組建築講演会ONLINE2021と...
久々に大阪で建築見学
こども本の森中之島へ 先日、関西出張がありそのついでに以前から気になっていた 梅田駅から地下鉄で一駅の所にある、大阪中之島にある こども本の森中之島に行って来ました。 幸い、出張スケジュールが事前に決まっていたので こども本の森中...

高知駅にて

高知駅は2008年に竣工したJR四国の駅舎です。
駅全体をすっぽりと覆う高知県産の杉の集成材を用いたアーチの
大屋根が見どころとなっていて、ホームに屋根を支える柱がなく
すっきりとした感じになっております。
ちなみに、この建物の愛称は「くじらドーム」公募で決まったらしい。

当時の高知県知事より地元の県産木材を使用して欲しいと要望があり
しかし、高知の杉材は強度が確保しにくいというのがあり、地元の
木材会社に杉の大断面集成材を開発してもらったという話だそうです。

牧野富太郎記念館にて

高知駅よりも10年弱前の1999年に竣工した博物館です。
高知県出身の植物学者である「牧野富太郎」の業績を記したものや
植物標本等を展示してあるところです。
ちなみに、故・牧野富太郎氏は来春放映の朝ドラのモデルでもあります。

さて今回、高知駅と同様に8年ぶり2回目の訪問となりました。
高知市内から車で15分前後走ると、五台山の中腹に高知県立牧野植物園が
あり、その広大な植物園の中に本館と展示館が分かれて配置されています。

駐車場からはその建物は見えません、長いアプローチを抜けると
本館が見えてきます。
建物全体が大きなスケールになっておりますが、周囲の植物に埋もれ
圧迫感は殆ど感じることはありません。

山の中腹の傾斜地建つので、建築が廻りの高低差をそのまま受け入れて
おり本館から展示館へは、約200m弱の回廊を下っていくのですが、
回廊の途中にも色々な植物があり、その植物の周りに蝶々やトンボ等が
寄ってきたりしてとてもよい雰囲気です。

内部に変化があり、シンプルな箱物の建築では味わえないような、自然の
中に溶け込んだ建築でした。

内藤廣講演会・馬車道駅

去る8月22日に横浜市主催、横浜市公共建築100周年の
記念公演として関内ホールにて講演会がありました。
その講演会会場の最寄り駅が横浜高速鉄道みなとみらい線
馬車道駅である。

みなとみらい線は全線地下鉄ですが各駅とも違う建築家の
デザインにより個性的です。
みなとみらい駅は伊藤豊雄氏、日本大通り駅は早川邦彦氏と
なっており、ドーム状の空間とレンガの壁が特徴になっているのが
内藤氏設計の馬車道駅です。

改札上のドーム状の美しい天井や、改札をすぐ出た場所にある
古煉瓦を再利用した外壁や、横浜銀行旧本店の金庫を埋め込んだ
オブジェなども素晴らしいが、最大の見所と言えば駅コンコースに
置かれた巨大レリーフだと思います。

横浜銀行旧本店にあったものですが、縦4メートル横45メートル
もあるこのレリーフは横浜国立大学の前身である「旧横浜高等工業学校」
の教授で建築家の故中村順平の制作のものです。
「横浜の文化・都市発展史」を題材としており、鶴見・川崎地区の
製鉄・造船工業、湘南地方の農業等が表示されています。

紀尾井清堂で奇跡の一本松の根展へ

先述の講演会があるとは知らずに、同じ週に紀尾井清堂の見学予約を
しており、3.11大震災で陸前高田市の高田松原にあった7万本の松で
唯一残った奇跡の一本松です。
東京都千代田区にある、紀尾井清堂にて「奇跡の一本松の根展」を見学。

木の根っこを見る機会なんて滅多にないですが、この一本松の根は何か
物凄い力強さというか存在感が半端なかったです。
2階では、2013年に放送したNHKの番組「奇跡の一本松を追って」が
繰り返し流されております。


この建物は施主からのオーダーは「思ったように造ってください、
機能はそれに合わせて後から考えますから、唯一の注文は縄文に
ついて考えてほしい」と依頼された建物。

内藤廣が考えたテーマとしては「パンテオンのような常識に縛られない
魂を揺さぶられるようなもの」というもの。

この建築のメインとなる空間は、動線が中央を駆け巡る4層の吹き抜け
空間で、内部は木がふんだんに使われていて、温かみのある空間です。
室内の周囲は壁に囲まれており、採光は上部のトップライトからのみ
となっているが、やわらかい光が吹き抜け空間に注ぎ込まれております。

「奇跡の一本松の根展」は2023年2月9日まで開催との事です。
火曜、木曜、土曜のみで事前予約が必要になります。
建築もさることながら、「一本松の根」は生命力の凄さと
津波の脅威・凄まじさを感じ取ることが出来るかと思います。

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