家などを建てる時に
注文住宅を建てようとするとき、打ち合わせや手続きの
流れの話の中で、建築確認という言葉を聞くことが
あるのではないでしょうか。
住宅などの建物を建てるには、建築確認申請の手続きが必要です。
建築確認とは何か、建築主は何かすることがあるのか、
あるいは費用はどの程度かかるのかなど、基本的な知識を
解説していきます。
建築確認とは
建築確認とは、これから建築しようとしている建物が、
建築基準法や関連法令、各市町村の条例などに適合して
いるか確認するための手続きです。
たとえば、用途地域や接道義務、道路斜線や高度斜線、
建ぺい率や容積率などが守られているかといった点の確認が行われます。
建築確認申請を行うのは工事の着工前で、都市計画区域内の
建物や都市計画区域外でも一定規模以上の建物を建てるには、
建築確認が必要です。
増築を行う場合も、増改築部分が10平米を超える場合のほか、
10平米以下でも防火地域・準防火地域内では確認申請が
必要になります。
建築確認が下りるまでは工事の着工ができません。
建築確認申請を行うのは建築主ですが、専門的な知識が
必要とされるため、設計事務所や建設会社が手続き代行
するのが一般的です。
特定行政庁(都道府県または一定規模以上の市)、
あるいは民間の指定確認検査機関に申請を行います。
建築確認申請を行う際には建築確認申請書のほか、
建築計画概要書や意匠・設備などの図面、構造図面や
構造計算書などを提出します。
構造図面のイメージ
建物を建てるときの流れ
そもそも建物を建てるときにはどんな手続きが必要に
なるのか、建築確認を含めて流れをみていきます。
まずは用途地域や接道などに関する事前調査を行い、
必要があれば役所と事前協議を行った後、建物の建築計画を
作成します。
特定行政庁あるいは指定確認検査機関に建築確認申請を行うと、
書類上での審査が行われ、関係法令に照らし合わせて支障が
なければ建築確認済証が交付されます。
建築確認済証の交付を受けてから工事に着工し、規模に
よっては工事の途中の決められた工程で現場で中間検査を
受けることが必要です。
そして、工事が完了した後、完了検査の申請を行い、
完了検査では設計図通りつくられているか現地で確認が
行われます。
完了検査を合格すると検査済証が交付され、引き渡しを
受けるという流れになります。
現場検査のイメージ
建築確認にかかる費用は?
建築確認申請にかかる手数料は自治体や床面積によって
異なります。
たとえば、東京都の場合で2022年7月現在、30平米を超え
100平米以内の建物は9,400円、100平米を超えて200平方平米
以内の建物は1万4,000円で、支払いは現金です。
自治体によっては数万円かかることがあるなど、
確認申請手数料は幅があります。
また、指定確認検査機関に建築確認申請を行うと、建築確認済証が
交付されるまでの期間は短くなることが多いですが、
費用は高めになるのが一般的です。
参考:東京都都市整備局|建築基準法関係申請・通知手数料
https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/kenchiku/kijun/tesuryo.htm
建築確認が下りた後に変更するには?
建築確認が下りた後の設計プランの変更はできなくは
ありませんが、計画変更の申請が必要です。
間取りが変わると、構造計算がやり直しになるほか、
採光面積なども改めて計算を行うことになります。
そのため、再度建築基準法や関連法令に適合しているか、
再度、確認が必要になるのです。
建築確認申請を行った後で計画変更を行うと、完成する
までの期間が延びるだけではなく、追加費用が発生する点に
注意が必要です。
計画変更によって設計料も追加になりますし、工事に着工
できなくなるため、工期がずれることによる人件費の負担も
生じる可能性があります。
ただし、開口部の変更や使用材料の変更といった
軽微な変更であれば届出で済みます。
基本的には確認申請を行った後には設計プランの変更は
できないものと考えて、やむを得ない事情などがあるときには、
設計事務所や建設会社の担当者に相談してみましょう。
建築確認済証と検査済証は保管しておく
建築確認済証や検査済証は、建物が完成した後も保管が
必要な書類です。
住宅ローンの利用にあたっては申し込み時に建築確認済証、
ローンの実行時に検査済証が必要になるのが一般的です。
また、リフォームを行うには検査済証が必要になるケースが
あるほか、売却するときには建築確認済証と検査済証が
必要とされることが多いです。
万が一、建築確認済証を紛失しても原則として再発行はされません。
代替となるものとしては、建築確認が下りると記載される
建築確認台帳の台帳記載事項証明の発行を受けるといった
方法があります。
建築確認済証は検査済証とともに大切に保管しておくようにしましょう。
確認済証のイメージ
おわりに
建築確認申請は設計プランが確定した後、工事の着工前に
行う手続きです。
設計プランが建築基準法や関連法令に適合しているか、
特定行政庁や指定確認検査機関で確認が行われます。
確認申請が下りた後に設計プランを変更することがないように、
打ち合わせ段階で建築家などに要望をしっかりと伝えるようにしましょう。