昨年の夏に続き2年連続で高知県へ訪れました。
定番の牧野植物園から、今回3回目の高知来訪にして
ようやく行けた横倉山自然の森博物館等々の建築見学をしました。
高知駅にて
高知駅は2008年に竣工したJR四国の駅舎です。
設計は内藤廣氏です。
駅全体をすっぽりと覆う高知県産の杉の集成材を用いたアーチの
大屋根が見どころとなっていて、ホームに屋根を支える柱がなく
すっきりとした感じになっております。
ちなみに、この建物の愛称は「くじらドーム」公募で決まったらしい。
当時の高知県知事より地元の県産木材を使用して欲しいと要望があり
しかし、高知の杉材は強度が確保しにくいというのがあり、地元の
木材会社に杉の大断面集成材を開発してもらったという話だそうです。
牧野富太郎記念館にて
高知駅よりも10年弱前の1999年に竣工した博物館です。
設計は高知駅同様に内藤廣氏です。
高知県出身の植物学者である「牧野富太郎」の業績を記したものや
植物標本等を展示してあるところです。
ちなみに、故・牧野富太郎氏は現在放映中のテレビドラマ「らんまん」の
モデルでもあります。
昨年も訪れており、今回で3回目の訪問となりました。
高知市内から車で15分前後走ると、五台山の中腹に高知県立牧野植物園が
あり、その広大な植物園の中に本館と展示館が分かれて配置されています。
駐車場からはその建物は見えません、長いアプローチを抜けると
本館が見えてきます。
建物全体が大きなスケールになっておりますが、周囲の植物に埋もれ
圧迫感は殆ど感じることはありません。
山の中腹の傾斜地建つので、建築が廻りの高低差をそのまま受け入れて
おり本館から展示館へは、約200m弱の回廊を下っていくのですが、
回廊の途中にも色々な植物があり、その植物の周りに蝶々やトンボ等が
寄ってきたりしてとてもよい雰囲気です。
内部に変化があり、シンプルな箱物の建築では味わえないような、自然の
中に溶け込んだ建築でした。
高知県立牧野植物園のデータ
所在:高知県高知市五台山4200-6
開館時間:午前9時~午後5時 休館日:年末年始・他あり
入館料:大人730円 高校生以下無料
横倉山自然の森博物館へ
高知市内から仁淀ブルーで有名な仁淀川沿いを車で走ること
約1時間、越路町にある仁淀川を眼下に見下ろす高台にある
横倉山自然の森博物館は1997年に竣工した博物館です。
設計は世界的建築家の安藤忠雄氏。
日本屈指の古い地質である横倉山を通じて、地球の生い立ちや、
牧野富太郎博士が愛した珍しい植物、越知の歴史を学ぶことができる
メインの駐車場から坂道を登ったところに建物はあります。
安藤氏らしいアプローチから水盤を眺めながら建物に入っていくのは
この当時の氏の定番的手法で勿論素晴らしかったのですが
ちょっと気になったのは水盤のメンテナンスが行き届いてないのか
苔なのか緑っぽくなっているのが残念な感じです。
横倉山自然の森博物館のデータ
所在:高知県高岡郡越知町越知丙737番地12
開館時間:午前9時~午後5時 休館日:毎週月曜・年末年始
入館料:大人500円 高校大学生や小中学生料金あり
木材を多用する建築
木材が豊富な高知県だけあって木を多用する建築が多々あります。
たまたま途中で寄った佐川町の道の駅でも構造材に木を使った建築であったり
高知市内にある図書館オーテピア高知図書館などにも随所に木が使用され
流石高知県と言わんばかりの感じがします。
また、最近の図書館は本当に心地よいです。
↑道の駅・佐川の内部
↑オーテピア高知図書館(上2枚)
高知は広い・・・
高知は東西方向に広く滞在期間中、全ての町に行くのはとても無理。
梼原町の隈研吾氏が手掛けた町役場や図書館
土佐清水市にある、林雅子氏が手掛けた海のギャラリー。
その他、竹林寺本坊・アンパンマンミュージアム等々沢山の建築が
点在しており見る価値はどれもあると思います。