一級建築士ってどんな仕事?どうすればなれる?

もうすぐ合格発表の時期


毎年、12月下旬は一級建築士試験の合格発表がある時期です。
自分自身も16年ほど前に外出先から帰宅したら合格通知が
届いており、喜びよりも安堵したという思いが強かった記憶が
あったことを思い出します。

さて、一級建築士試験は二級建築士試験と比較して難易度が高く、
すべての構造・規模の建築物の設計などを取り扱うことができます。
そもそも一級建築士ってどんな仕事なのか、仕事の内容やら
資格取得の方法等をちょっと掘り下げてみようと思います。

一級建築士とは?


一級建築士は建築士法に定められた、
建築物の設計や工事監理を担うための国家資格です。
建築士の資格には一級建築士のほか、二級建築士、
木造建築士という種類があります。

建築士以外は一定規模以上の建築物の設計や
工事監理はできないことから、建築士は業務独占資格です。
また、建築士の有資格者以外は建築士という名称を
名乗れないことから、名称独占資格でもあります。

建築士は資格の種類によって、
設計や工事監理を担うことができる建築物の
構造・規模が異なります。
その中でも一級建築士は、すべての構造・規模の建築物の
設計や工事監理を担うことができる資格です。
具体的に一級建築士のみが設計や工事監理を
担うことができる建物は以下になります。

一級建築士のみが設計・
工事監理を行える建築物とは


・学校、病院、劇場、公会堂、集会場、百貨店などの施設で、
延べ床面積が500㎡以上ある建築物
・木造以外の構造で延べ床面積が300㎡、
高さが13mもしくは軒の高さが9m以上ある建築物
・木造で、高さが13mもしくは軒の高さが9m以上の建築物
・延べ床面積が1000平方メートルを越え、階数が2階以上の建築物

一級建築士の仕事内容って?


一級建築士の主な仕事内容には、設計業務と
工事監理業務があります。
また、設計業務は意匠設計と構造設計、設備設計に分けられます。

このうち、一般的に一級建築士の仕事として
イメージされやすいのは意匠設計です。
意匠設計は、施主の要望や敷地条件、周辺環境を踏まえて、
建築のデザインや間取りなどの設計業務を行います。

また、構造設計や設備設計をとりまとめて、
行政や指定確認検査機関などへ確認申請をしたり、
工事の着工後には設計監理を行ったりするのも意匠設計の役割です。
ちなみに私も意匠設計の分野という事になります。

構造設計は意匠設計をもとに、
建築物が安全性を確保できるように、
柱や梁の配置、太さ、基礎の形状といった
構造躯体(骨組み)の設計を担います。

設備設計は快適な室内環境を実現するために、
給排水設備や電気設備、空調設備などの設計を行います。

工事監理業務は施工会社が図面通りに建築物を建てているか、
設計図書と照合していき、確認していく業務です。

一級建築士の主な勤務先って?


一級建築士の有資格者の主な勤務先は、
設計事務所やゼネコン、ハウスメーカー、ディベロッパーです。
このほかに官公庁や工務店等などで活躍する一級建築士もいます。

◆設計事務所
設計事務所は建築意匠設計事務所、構造設計事務所、
設備設計事務所に分けられます。
さらに建築意匠設計事務所には、アトリエ系設計事務所や
組織系設計事務所といった種類があります。

アトリエ系設計事務所は個人の建築家による設計事務所のうち、
意匠やデザインに強みを持つ、
作家性の強い小規模な設計事務所です。

組織系設計事務所は意匠から構造、設備までを
トータルで企画・設計できる大規模な設計事務所を指します。

◆ゼネコン
ゼネコンとは、道路やトンネル、
ダムからマンション、オフィスビル、商業施設などの
土木・建築工事を請け負う総合建設会社のことです。

ゼネコンは工事のみを請け負うケースと
設計・施工で請け負うケースがあり、自社の設計部門を持っています。
ゼネコンでは設計部門のほか、
施工管理を担う工事部門などでも一級建築士が活躍しています。

◆ハウスメーカー
ハウスメーカーによっては戸建て住宅以外に、
アパートやマンションなどの賃貸住宅も扱っています。
一級建築士は主に設計部門や工事部門で活躍しています。
ハウスメーカーでは規格型住宅を
メインに取り扱っているため、
間取りやデザインの独創性はあまり求められない傾向があります。

◆ディベロッパー
ディベロッパーとは、商業施設やオフィスビル、
マンション、あるいは街の企画・開発を行う不動産事業者です。
ディベロッパーでは、一級建築士はプロジェクトの
マネジメントや商品開発、自社設計の物件の
設計・工事監理を担っています。

一級建築士の資格を取得するには


一級建築士になるには、一級建築士試験の学科試験と
設計製図試験への合格が必要になります。

建築士法の改正によって、令和2年度から
一級建築士試験の試験制度は若干変更になっています。
受験資格があるのは、「大学や短期大学、高等専門学校などで
建築に関する指定科目を修めて卒業した人」と
「二級建築士」、「建築設備士」です。
従来は、実務経験は受験資格要件でしたが、登録要件に変わりました。

◆一級建築士の登録要件
<建築学科等を卒業した場合>
・大学…実務経験4年以上
・短期大学(3年)…実務経験3年以上・短期大学(2年)
・高等専門学校…実務経験4年以上

<資格取得による場合>
・二級建築士…二級建築士として実務経験4年以上
・建築設備士…建築設備士として実務経験4年以上

また、学科試験に合格した年の設計製図試験に
不合格であった場合、翌年から4回の試験のうち
任意の2回まで学科試験が免除されるようになり、
設計製図試験を受けるタイミングを柔軟に選択できるようになりました。

一級建築士の資格取得は難易度が高い


令和元年度の一級建築士の合格率は学科22.8%、
製図35.2%で、総合合格率は12.0%でした。
ここ数年の合格率は学科は20%を切る年が多く、
製図は40%前後、総合で12%台となっています。
出典:公益社団法人建築技術教育普及センター|試験結果
https://www.jaeic.or.jp/smph/shiken/1k/1k-data.html

一級建築士試験は難易度高いとされ、
何年も挑戦している人が少なくありません。
また、試験対策のために資格学校に通う人が主流です。
勿論、全て独学で試験をパスする強者もいますが
私自身は、半強制的に勉強しないと駄目な性格だったので
某資格学校に通った経験がありますが・・・。

一級建築士は足の裏の米粒?


一級建築士の資格は「足の裏の米粒」とよく揶揄されます。
取らないと気持ち悪いが、取っても食べられる訳でないと。
まさしくその通りで、よくできた言葉だなと思います。

一級建築士の試験をパスした瞬間から、突如超高層ビルの
設計が出来るわけでもなく、仕事がどんどん舞い込むわけでもない。
だけど、この設計を生業として生きていくためには
最低限必要な資格と昔読んだ本に書いてありました。

このブログを書いている自分自身も一級建築士であり、
その建築士事務所を営んでいますが、
恥ずかしながら未だ知らない事もあるので
日々研鑽を積んでいく感じです・・・。