設計事務所の仕事って?

設計事務所の仕事って?

このブログの一番最初の記事にも
ざっくりと書いてはあるのですが
「設計事務所の仕事」というと、図面を描くことが
思い浮かびやすいかもしれません。

確かに、実際に建物の設計では
間取りがわかる平面図以外にも、
工事に必要な設計図書を作成するため、
膨大な枚数の図面を描きます。

しかし、設計事務所は図面を描く仕事が
メインではあるものの、実はそれ以外にも
多岐にわたる業務を担っています。
所管行政庁に調査に行ったり、
工事監理を行ったりするのも、設計事務所の仕事です。

依頼を受けると・・・。

施主から住宅など建物の設計の依頼を受けると、
まず始めに行うのがヒアリングです。

住宅の場合は、予算、家族構成やライフスタイル、
間取りや希望するデザインのイメージ、
住まいへの要望などを聞きます。

設計事務所によっては趣味や好きなモノを聞くケースも。
予算の範囲内で敷地条件を最大限に活かし、
施主や家族に合った住まいを設計するために、
ヒアリングは欠かせません。

現地や役所に足を運ぶ

ヒアリングを基にプランを作っていくのですが
その前に、現地の確認や所轄行政庁へ行き
色々な調査を行います。

現地調査は、敷地の高低差や方位や陽当たり、
周囲の建物との関係やロケーションと
いった事を確かめに行きます。

所管行政庁では、建物を建てる土地の
用途地域や建ぺい率、容積率、接道条件などを調べます。
また、水道や下水道、都市ガスといった
インフラ関係も確認しておきます。

さらに、建築基準法による規制以外に、
自治体ごとに条例で制限が設けられている
ケースがあるため、確認が必要です。
よくあるのは、最低敷地面積や外壁後退、
ワンルームマンションの規制、敷地面積に対する
緑地の割合などを決めた緑化計画など。
また、景観条例によって
外壁の色に制限があるエリアもあります。

こうした点を確認するため、
役所では建築指導課のみならず、
様々な部署をまわることが必要です。

役所に足を運ぶのは一度ではなく、
大まかにプランを作成した段階で
関係する条例に適合するか確認することも。
また、大規模な物件や開発行為に該当する場合は、
行政と事前協議が必要になることもあります。

プランニング、そして提案

施主の要望や敷地条件などをもとに、
建物の特徴や設計のよりどころとなる
コンセプトを立案して提案を行います。

また、図面を描くだけでは施主にイメージが
伝わりにくいのが難点です。
そこで、施主とイメージを共有するために、
パースや模型を作ることもあります。

↑インテリアパースの例

提案した内容で概ね合意が取れれば、設計契約を経て
本格的な設計へと進んでいきます。

基本設計から実施設計

そして、設計の段階となりますが、
まずは大まかな基本計画を作成。
施主との打ち合わせを重ねて、間取りだけではなく、
構造や設備を含めて基本設計を固めていきます。

基本設計の段階で完成するのは、
平面図や立面図、断面図、仕上げ表などの
大まかな図面です。

基本設計の後に行う実施設計では、
見積もりに必要な詳細図面を作成します。
実施設計で作成するのは、意匠設計図のほか、
構造設計図や構造計算書、設備設計図、仕様書などです。

実施設計の段階で施主に提案することは数多くあり、
建物の外装材、壁や床の内装材、
あるいはクローゼットのつまみやドアノブなどの
細部に至るまで多岐にわたります。

造作家具をデザインしたり、
住まいに合う家具の選定を行ったりすることもあります。

施工会社の選定をサポート

設計事務所では工事を行いませんが、
施主が工事を依頼する施工会社を
選定するサポートをします。

特に施主の要望がない場合は数社から見積もりをとり、
金額の妥当性のチェックし、施主へアドバイスします。
施工会社の見積もりが予算に合わない場合は、
内外装の仕様を変更するなど、
設計を調整する業務が発生します。

そして確認申請へ

見積内容が確定したら、
施主に代わって建築確認申請を行います。
建築確認申請が下りなければ、
工事に着工することはできません。

申請に必要な書類や実施設計で作成した
図面の一部を用意して、役所または
民間の指定確認検査機関に提出します。

但し、設計事務所によっては、
実施設計が完了したと同時や施工会社の選定と
同時に行ったりと確認申請の時期は
ケースバイケースではありますが。

竣工に向けて

工事中は図面通りに建物がつくられているか
適宜チェックをします。
設計事務所は工事中は施主の代理人として、
図面通りの寸法や材料で適切に工事が行われているか、
工程表通りに工事が進んでいるかを
確認する工事監理を担います。

設計監理を行うことで、設計に忠実な建物が完成します。
現場で施工会社と打ち合わせを行い、
施工状況の確認や施工方法の検討などを行います。

現場で図面では伝わりにくい部分の詳細な指示をしたり、
追加でスケッチや詳細図を描いたりします。
最終的な色決めなどを行うこともあります。

また、RC造の建物の配筋検査のほか、
中間検査が実施される建物では立ち会いをします。

↑RC建物の配筋検査の例

また、施主に対しては工事の状況などを報告します。
建物が完成すると、施工会社の自主検査や消防署の検査、
役所の完了検査、施主検査に立ち会うなど、
引き渡しまで設計事務所の仕事は続いていきます。