建物の構造って②

建物の構造 住宅

それぞれの構造を比較

建物の構造にはいずれも
メリット・デメリットがあり、
どの構造が優れているとは一概にはいえません。
木造と鉄骨造、鉄筋コンクリート造の
それぞれの長所と短所を紹介していきます。
↓建物の構造って[前編]

建物の構造って①
建物の構造とは・・・。 建物の構造は土台や柱、壁といった構造体に 使用する部材によって、主に木造と鉄骨造、 鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造 といった種類があります。 構造によって異なる特徴があり、 向いている建物の規...

木造のメリット

木造は建築コストが安いことがメリットです。
また、木造は木材を使用しているため
調湿効果があるほか、柱や梁を現しにする場合は、
木造ならではの趣ある空間をつくることができます。

木造のデメリット

木造は耐火性や耐久性、耐震性、防音性の面で
ほかの構造よりも劣ります。
また、白アリの被害に遭う可能性があり、
定期的に防蟻処理を行う必要があることもデメリットです。

木造軸組み工法と木造枠組壁工法を比較した メリット・デメリット

間取りの自由度が高いのは、
柱や梁で構成する木造軸組み工法です。
木造枠組工法は、パネルによる面で構成する構造のため、
間取りを柔軟に設計しにくく、
リフォームで間取りを変えにくいことがデメリットです。
また、大きな開口部も取りにくいです。
一方で、木造枠組壁工法よりも防火性や
耐震性が高い点がメリットになります。



↑木造長屋の上棟後

↑完成した木造長屋


鉄骨造のメリット

鉄骨造は木造よりも広いスパンがとれることから、
間取りの自由度が高いことがメリットです。
木造のように白アリの被害に遭う可能性がなく、
耐震性も木造よりも優れています。

また、鉄骨造は工期が短いことも
メリットに挙げられます。
建築コストは木造よりは高いですが、
鉄筋コンクリート造よりも抑えられます。

鉄骨造のデメリット

鉄骨造は、鉄筋コンクリート造に比べて
耐火性が高くないことがデメリットです。
「鉄なら火に強いのでは?」と思うかもしれませんが、
鉄骨は火災によって温度が上昇すると、
柔らかくなって強度が低下してしまうのです。

また、鉄は熱の伝導性が高いため、
夏の熱気や冬の冷気が伝わりやすく、
断熱性が低いこともデメリットに挙げられます。

軽量鉄骨造と重量鉄骨造を比較した メリット・デメリット

軽量鉄骨造と重量鉄骨造は採用する
建物の規模が異なるため、実際のところでは、
この2つを比較検討することは考えにくいですが、
特徴からメリット・デメリットをみていきます。

軽量鉄骨造はプレハブ工法がほとんどであり、
工場で製造された部材を現地で組み立てていくため、
職人の腕による差が起こりにくく、
品質が安定していることがメリットです。
ただし、軽量鉄骨造は木造と同様に防音性が
低いことがデメリットです。

重量鉄骨造の方が、軽量鉄骨造よりも防音性に優れています。
また、重量鉄骨造はブレースがないため、
広々とした大空間をつくりやすいことがメリットです。
とはいえ、重量鉄骨造は軽量鉄骨造よりも建築コストがかかります。



↑鉄骨工場にて製品検査中


↑鉄骨造の建方直後の現場


鉄筋コンクリート造のメリット

鉄筋コンクリート造は、
不燃材のコンクリートを使用しているため耐火性に優れ、
耐震性も高いことがメリットです。
床や壁にコンクリートを使用しているため、
防音性もほかの構造と比較して高いです。
とはいえ、鉄筋コンクリート造でも、
完全に音を遮ることができるわけではありません。

鉄筋コンクリート造のデメリット

鉄筋コンクリート造はほかの構造よりも工期が長く、
建築コストがかかることがデメリットです。
鉄筋コンクリート造は気密性が高い反面、湿気に
よってカビが発生しやすい点に注意が必要です。

また、鉄筋コンクリート造は重量が重いこともデメリット。
戸建てを建てる場合には、木造であれば地盤改良が不要であっても、
鉄筋コンクリート造の場合には地盤改良が必要となることもあります。

壁式構造とラーメン構造を比較した メリット・デメリット

壁式構造は柱や梁の出っ張りがなく、
部屋に凹凸がないことから、すっきりとした見た目で、
家具をレイアウトしやすいことがメリットです。
また、構造体である耐力壁がラーメン構造よりも厚く、
断熱性や防音性に優れています。

一方で、壁式構造は間仕切り壁にも撤去できない
耐力壁があることから、リノベーションの際に
間取りの自由度が低いことがデメリットです。
ラーメン構造は基本的に間仕切り壁には耐力壁がなく、
大空間をつくりやすいことがメリットに挙げられます。



↑RC現場の床配筋状況



↑完成したRC共同住宅


まとめ

土地や建物の規模、理想とする建物の
イメージなどによって、構造の向き不向きがあります。
また、どれが向いているかは、間取りの自由度や耐震性、
耐火性など、何を重視したいか優先順位にもよります。
適切な構造を選択するためには、
建築家などのプロに相談してみて下さい。

コメント

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