瀬戸内の建築・アート見学に行く③

建築見学

直島で10番目の安藤建築「直島新美術館」

14年ぶり、6度目の再訪となった3月末の直島建築巡り。
今回は少し足を延ばして訪れた最新のスポットをお届けします。

それが、2025年5月にオープンしたばかりの「直島新美術館」です。
建築家・安藤忠雄氏が直島で10番目に設計した施設ということで、
今回の旅でも楽しみにしていた建築の一つでした。

長い階段の先に。集落の風景に溶け込む美術館

直島新美術館は、前編でご紹介した「ANDO MUSEUM」と
同じ本村(ほんむら)地区の近く、緑豊かな高台に建てられています。

麓(ふもと)に到着すると、まず目を引くのが
目の前にそびえる「約100段ある階段」です。
ここを一歩ずつ登っていくアプローチ自体が、
アートの世界へと心を整えるプロローグのよう。

上りきった先にある建物は、地下2階、地上1階建て。
高台の稜線をなぞるような緩やかで大きな屋根が特徴的です。
外壁には、まわりの古い集落の景観に馴染むよう、
焼杉をイメージした「黒漆喰(くろしっくい)」が使われており、
最新の建物でありながら、どこかホッとする佇まいをみせています。

地下へと誘う「一直線の光と階段」

館内に入ると、ダイナミックな空間が待っています。
中心を貫いているのは、地上から地下2階まで、
吸い込まれるように真っ直ぐ伸びる長い直線階段です。

この階段室の魅力は、「光と影」の強烈なコントラスト。
天井のトップライトから差し込む鋭い自然光が、
薄暗い地下へと向かってコンクリートの壁を
なめるように美しく落ちていきます。

その圧倒的な静寂と、光の力強さを体感していると、
安藤忠雄氏の建築らしい、生々しい魅力を感じることができます。

現代アートと、瀬戸内を一望する絶景カフェ

階段の両側には4つのギャラリーが配置されており、
日本を含めたアジアのアーティストたちによる
現代アート作品が展示されています。

コンクリートの四角い空間と、スケールの大きな
作品たちがぶつかり合い、調和していく様子は
刺激的で飽きることがありません。

さらに、地上階には多目的なカフェが併設されています。
ここの屋外テラス席からの眺めが非常に良く、
瀬戸内海の穏やかな海と、行き交う漁船、
遠くに見える島々の景色を一望でき、
アート鑑賞のあとに心地よい潮風を感じながら
一息つける素晴らしい空間になっていました。

おわりに

14年ぶりの来島で、こうして新しくオープンした
安藤建築の最新作に触れられたのは非常に良い機会でした。
周囲の古い町並みに寄り添う外観の工夫や、
内部の研ぎ澄まされたコンクリート空間など、
今の直島だからこそ体験できる新しい見どころが増えたと感じます。

2025年に始まったばかりの新しい美術館。
直島を訪れた際は、ぜひこの新しい空間で、
美しい光と影を体感してみてください。

 

【直島新美術館 インフォメーション】
住所: 香川県香川郡直島町3299-73
開館時間: 10:00〜16:30(最終入館16:00)
休館日: 月曜日(祝日の場合は翌日)
お問い合わせ: 087-892-3754(福武財団)

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