建替えとリフォーム、どちらが良いか①

建替えがよいかリフォームか？

長年住んでいる家や親などから相続した家など、
築年数が経過して老朽化した戸建て住宅は、
建替えをするか、リフォームをした方がよいのか、
迷うことがあるのではないでしょうか？

建て替えとリフォームの工事費用や工事期間などの
違いも気になるところです。

そこで、建て替えとリフォームについて、今回は
それぞれの定義や工事費用の違い、メリットや
デメリットなどについてみていきます。

まずは、改めて建替えとリフォームについて
それぞれの定義をみていきます。

建替えとは、住宅などの建物を解体して撤去して
更地の状態にした後、新たな建物を建てることをいいます。
つまり、イチから新しい家をつくり直すのが建て替えです。

これに対してリフォームとは、部分的に修繕や改築、
増築を行うことを指します。つまり、、既存の住宅の
一部を活かして改修を行うのがリフォームです。

ただし、どの程度既存の部分を活かすのか、リフォームの
工事範囲は幅広く、キッチンや水回り設備などを交換する
部分リフォームから、躯体の状態まで解体して、内外装や
設備を一新するスケルトンリフォームまであります。

また、リフォームでも建物の強度に影響しない範囲内で
あれば、間取りを変更することが可能です。

リノベーションと呼ばれる新築の状態よりも付加価値を
つける改修工事も、ここではリフォームに含めます。

旧家屋を解体して新築工事への準備

一般的に、戸建て住宅の建て替え費用は
1500万円～4000万円程度、フルリフォームの工事費用は
300万円～2000万円程度といずれも幅があります。

建物の大きさのほか、外装材や内装材、キッチンや
トイレなど水回り設備のグレードは、共通して価格に
影響を及ぼす要素になります。建て替えであれば、
木造や鉄骨造、RC造といった構造が工事費用を大きく
左右する要素です。

また、リフォームではどこまでの範囲を残すのかに
よっても工事費用に違いがあります。フルリフォームの
中でも、壁紙やフローリングを張り替えて、設備を
交換する表層リフォームよりも、躯体の状態まで解体
するスケルトンリフォームは費用がかかります。

また、築年数の経過した住宅で、躯体の補修工事や
耐震工事、断熱工事が必要になると、工事費用が
アップする要因になります。

一般的にはリフォームの方が工事費用が安いですが、
建替えとほぼ変わらない費用がかかるケースもあります。

このほかにも建替えでは、解体費用や仮住まい費用、
引っ越し費用、登記費用などもかかります。

ただし、リフォームでも、仮住まい費用や引っ越し費用が
必要になるケースもあります。

建替えはイチから設計するため、家族構成や
ライフスタイルに合わせて、理想の間取りに
できることがメリットです。
また、耐震性や断熱性などの面で、性能の高い住宅に
することができます。
敷地が軟弱地盤など地盤に不安がある場合には、
建て替えの際に地盤改良を行うことも可能です。

新築上棟時のイメージ

一方で、建替えはリフォームよりも費用がかかる
ことが多く、工事期間も長くなることがデメリットです。
一般的に建替えには4～8ヵ月程度の工事期間がかかります。

また、建替えの場合は必ず仮住まいが発生します。
仮住まいのために賃貸住宅を借りるための費用や2回分の
引越し代が必要になり、手間もお金もかかることも
デメリットになるかと思います。

リフォームは一般的に建て替えよりも工事費用が安く、
工事期間も短いことがメリットです。
工事期間は1～5ヶ月程度が目安ですが、3ヵ月以内に
終わるケースが多いです。

また、あまりお勧めはしませんが、フルリフォームを
行う場合でも、仮住まいをせずに住みながらできる
こともあります。

さらに、リフォームは手を入れない場所を残すなど、
予算に合わせて工事範囲を調整しやすいこともメリット
に挙げられます。

全面リフォームのイメージ

これに対してリフォームでは、希望する間取りに
変更できないケースがあることがデメリットです。

基本的に耐力壁になっている壁は撤去できないなど、
間取りの変更には制限があります。

また、耐震工事を行っても、必ずしも耐震性を大幅に
向上できるとは限りません。

さらに躯体など建物の状態によっては、リフォームは
建替えとほぼ変わらないコストがかかることもあります。

ローンを利用したい場合にリフォームローンを利用すると、
住宅ローンよりも金利が高く、借入期間が短く、
借入限度額も低いこともデメリットといえます。

建替えとリフォームを比較すると、リフォームは
工事費用や工事期間のメリットが大きいですが、
必ずしも安く済むとは限らない点に注意が必要です。
一方で、リフォームは理想の間取りにできない
可能性があり、建替えはイチから間取りを考えられる
ことがメリットになります。

次回は建て替えとリフォームの判断基準に触れたうえで、
建て替えとリフォームのそれぞれに向いているケースを
紹介してみたいと思います。